「幸福写真」(荒木経惟)

saikaku2009-10-20

「内裏造らるるにも、必ず作り果てぬ所を残すなり」

多く残されている、昔のノートを見る。20代から30代ぐらいものだと思う。その頃からも多くの本を、今に比べればもっと多様なジャンルの本を読んでいたことがわかる。手当たり次第に、何でもかんでもといった具合だった。そしてノートには抜書きをし、少し自分の感想も書き添えていた。でも何かその侭の、生硬な感じの文章だ。そんな文章が所々に残っている。その頃に今の生活の原型が作られていたのだと思う。本を読むそして書いていく、その原型が出来ていた。色でもなく音でもなく影像でもなく、文章を通して自己を表現していくのが自分に合っていると。文から学んでいく、それが合っていると。もう一つ、カウンセリングを学習したことも大きな影響を与えている。自己表現を深めていく。そのような意味があった。そして、今の段階になっている。そう、生活の在り方そのものも進化していくのだと思う。一気に理想的な生活の有り様を求めるのは無理なことなのだ。「徒然草」の文章に押されて、本を読みそして書くことへ専念していく。