2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『物語の役割』(小川洋子)

昨日から雨が降り続いている。台風15号の影響らしい。前の13号と同じように台湾まで行って戻って来るというコースを辿っている。そのまま西へ行ってしまえばいいものを。向こうの人は安堵しているのかもしれないが。そのコースを見ていると、確かにポテンシ…

『武士道セブンティーン』(誉田哲也)

秋晴れに誘われて昨日も自転車に乗って出た。気候的には申し分なかったが、でも充分には楽しめなかった。何故だろう。思うところ、それは目的地を決めていたからだと。前回は南西方面だったから、今回北西方面へ向かっていこうと暗に思い描いていた。それが…

『ゲド戦記外伝』(ル=グウィン)2

「魔法は名付けに始まり、名付けに終わる」 日曜の午後は自転車を乗り回している。特に目的地を決めないで自由に走っている。分かれ道に来たときが緊張する。ぱっぱっと両方を見て、瞬時にどちらへ往くのかを判断している。選択した方向が行き止まりでも悔や…

『ゲド戦記外伝』(ル=グウィン)

「あの森のことは、なかに入って、森自身から学ぶしかありません」 定期健診の為に、病院の待合室でTVショッピングの番組を見るともなく見ていた。「○○ライト」という錠剤を呑んでいれば、通常の飲み食いしていても無理なくダイエットが出来るという。医学博…

『崖の上のポニョ』

日曜日の午後、自転車を走らせながら、ふと思った。「『ポニョ』には決定的に悪い人は出てこないんだ!そういえば、『千と千尋・・・』にも出ていなかった。結局湯婆婆もいい人だった」 「悪」といえるのは何なのだろうかと。『ナウシカ』の巨人兵か。全てを焼…

『雲のむこう、約束の場所』(新海誠)

「質量の起源と考えられる『ヒッグス粒子』の発見などを目指して造られた大型粒子加速器「LHC」が10日、スイスのジュネーブ郊外で運転を始める。」 その加速器内でブラックホールが作られ、地球も呑み込まれてしまうのではないかという危険性もあると聞…

『夕顔の言葉』(壺井栄)

「たった三粒の種、それが百倍もそれ以上にもなって、次の生命に備えてゐる姿、それは、花が散ったと淋しがる人の心に、無言の言葉をなげかけてゐるようでした」 数年前、盗人萩はたった一株しかなかった。それが今では庭のあちらこちらで厭になるほど葉を茂…

『すこやかに おだやかに しなやかに』(谷川俊太郎)

「静かな気もちで こころの奥を見つめるとき おそれからもこだわりからも解き放たれる」 読むことと書くことが、自分にとっての基軸にあることに変わりは無い。書くことについて、手書きということへの拘りも今少し薄れて来ている。また手書きでは追いつかな…

『わたしの愛した孤独』(メイ・サートン)

「牧草地の雑草を取りながら、わたしは自らの内なる雑草を摘み取ることを覚えた」毎週土曜日の午後は庭仕事と決めている。といっても、ほとんどの作業は雑草取り。この頃それもプロの領域に入って来ていると自画自賛している。梅雨時には雨降る中でも草取り…

『迷子になった鳩』(エリアン・ウィルソン)

「最初にここへきたのは、創造の精霊でした。創造の精霊は、自分の創造物の中に存在しています。すべてのものの名付け親でもあります。風のように速く走るブッシュマンたちはこう言っています。精霊は花になり木になり、水や鳥になり、そして人間になった、…

『ゲド戦記? アースシーの風』2(ル=グウィン)

「この世界が大きく変わろうとしているみたい。知っていたものなどなくなってなにもかもが新しくなるのかもしれない」人の性格にしても組織の有り様にしても、物事はなかなか変わらない。今の名前に縛られてしまっている。松田聖子はいつまで経っても「松田…

『アースシーの風』(ル=グウィン)

「子猫が獲物を苦労しながらも誇らしそうに甲板の上を引きずっていくのを見て、水夫のひとりは子猫をヒッパリと呼ぶようになった」 唯、そのようなことなのだと思う。モノの名前について、植物の名前にしても動物にしても、その形態上の一特徴や行動の一特性…

「人を動かす」(D・カーネギー)

この本は、世界中でベストセラーになっている本らしい。まあ、それも分かる。この本の内容は、相手の存在を認めていく。相手の重要感を認めていく。そして、人間関係を良好なものにしていくものである。その意味で分かる。でも、それは、あくまでも性善説に…