「ブッダ 最後の旅」

saikaku2009-10-21

「それ故に、この世で自らを島とし、自らをたよりとして、他人をたよりとせず、法を島とし、法をよりどころにして、他のものをよりどころとせずにあれ」
 
結局ブッダの教えとは、人間としての苦しみというのは、人に或はモノに執著していくことにある。自分の存在を認めて貰うために、地位や肩書きに拘っていく、広い人脈を築いていく、サークル活動に精を出していく、珍奇な物を収集していくなど、その存在を確認できるものに依存していく。その、対象が在って自分が在るという生き方が、不安定さを生み苦しみを与えていく。でも、誕生からの長い年月、親に依存していかなければならない習性からすれば、そのことはどうしようもないことなのだと思う。他者にまた他のモノに依存していくということではなくて、「自らを島とし」ていくように、自己に立脚していくことが、その依存性から離れていくことになるのだろう。それはまた、自己を識るという意味もある。多分、依存していた時期が長ければ長いほど、そこから離れていくことも長い時間の掛かることなのだ。そして、少しずつでもその方向へ進んでいく。