「治療島」(セバスチャン・フィツェック)

saikaku2007-07-24

この本は何か劇的な感じがしている、劇的というのは、衝撃的であると共に映画的なストーリになっているように思う、そう映像が浮かんで来ていた、読み進むに従って久し振りに面白い本に出逢ったことを愉しんでいた、だんだんと惹き込まれてしまって一刻も早く最後までいこうと早朝からもずっと読み続けてしまった、本当にこんなことは久し振りのこと、そう、このように興奮させられる面白い本もまだまだあるのだと思う、サイコスリラーという範疇に入るのだと思うが、その何が現実なのか何処に真実があるのか、そのことがわからない、そのところがまた読者の想像力を掻き立てていくことになっていく、読み手をストーリ展開へ参加させていくということになっていく、結末に近付くに従ってだんだんとその真実は明らかにはなってくるが、でもそれが分からなくても不分明なことであっても、何が真実であったのか無かったのか、それが曖昧なままでも読むことの愉しさには変わりがなかったのではないかと思う、いろいろなことについて想像させられていく、そのところに読むということの愉しさがあるのだと、今までの時間配分ということは何だったのだろうかと、時間配分を決めておけば、嫌でもその時間には読むことを期待していたのように、この時間帯に箱の分野の本を読んでいこうとしていたが、読むことの愉しさ面白さをもっと追求していくような、そのような読み方も本との接し方も出来るのではないかと思う、そのようなふうに考えなおさせられている、それを教えられた一冊だったと思う、目を覚まされたような気がする。