『ダンス・ダンス・ダンス』

saikaku2008-02-08

村上春樹を読み続けている。『羊をめぐる冒険』からこれに這入る。その中で、いい文章に出逢う。主人公の僕が羊男と再会した場面、「・・・僕は壁の上の影を眺めながら、仄暗い光の中で僕の置かれている状況について彼に話した。僕は本当に久し振りに心を開いて正直に自分自身について語った。長い時間をかけて、氷を溶かすようにゆっくりと、ひとつひとつ。・・・」 何の言葉か忘れてしまったが、その意味を調べようと国語辞典を引いているとき、偶然、「亡羊の嘆」という言葉があることを知った。