『船を降りたら、彼女の島』

saikaku2006-09-04

人間の生き方、或いは、社会生活の在り方が変化してきている、何らかの集団に属していくということ、グループを作っていくこと、ムラを形成していくこと、或いは、派閥を作っていくこと、そして、その中に落ち着くという、何か、集団に属しているということが生活の安定さを増すということ、そのことが変わってきている、先ず、システムがあって、それに縛られて生きていくということではなくて、組織があって、その組織の規律に従っていくということではなくて、ムラがあって、その中での共同生活していくということでもなくて、先ず、基本的には、自分自身がどのような生き方をしていくのかという、個々の問題がある、そう、個人としての問題がある、そして、それぞれが生きることの目標を設定していく、個人的なこととして、その目標を達成していける、そのようなことであればそれでいい、でも、協同していくことが必要な目標を設定することもある、複数の人間で行っていくことが必要なこともある、大きなことになってくるとそのようなことが必要なことになっていく、そのようなとき、そこからグループが作られていく、先ず、派閥を作るということが先行していくのではなくて、明確な目標ということが先ずあって、その元に集っていくという順番になる、今までの権益を守るために集団を作るということ、その目標が曖昧なこと、そのような集団は、結局は、集団を形成すること自体が、その結束を守っていくということ自体が目的化してしまう、そして、そのことに成員の纏まり、その枠付けだけが成員の纏まりということになっていく、そのようなことではなくて、目標をいうこと、ゴールを決めるという、それだけのこと、その目標ということを設定していく、そして、個々の人間、それぞれがそれに向かうという意志を持っていく、その意志を共有しているということだけが、そのことがメンバーを繋げていくものであると思う、そのような成り立ち、そして、その目標ということが達成されれば、そのグループは解散していく、そのようなこと、個々の生き方としてのこと、そのことから始まっていく、過去のことを訪ね歩いていく、何か、忘れてきているところのことを探し歩いて行く、そのようなところのことが解決されないと、次の段階へは進んでいけない、自分の意志を伝えていくことが出来ない、言い淀むということにも、そのような心理的なところのことが隠されている、そう、これは、良質の映画だと思う、その、落ち着いて観られるところがいいと思う、特別な事件が起こるということでもない、ただ、その、過去のことに戻っていくことで変わっていくこと、静かないい映画だと思う。