『容疑者Xの献身』

saikaku2007-01-04

ほんの少し、でも、いちばん気になっているところ、石神は数学の再追試を受けた生徒達を最後には合格させたのだろうかと、そのようなことが読み終わっても気になっている、最後に、もう、そんなことは、何もかもみんな打っ棄ってしまって、そして、一人静かに誰に邪魔されることもなく、数学の難問に挑戦できるように、そんな場を求めようとして、刑務所へ入る覚悟を決めたのではないかと思う、そう、そのことが気になっている、どうなったのだろう、合格させなかったことを期待している、まあ、そのようなことはともかく、この本、ついつい読み進んでしまった、そして、読者も同じように間違った思い込みをさせられていて、エーっという感じで、どうなっていたんだっけと初めの方を読み返してみるとか、そんなことをしてしまった、わあ、嵌められているという、でも、まあ、全体として、その、読むことに没頭させる、そのような力を持っているいい小説であると思う、堪能させてもらったという感じがする、湯川シリーズも面白いのだろうかと、なかなか、このような小説、或いは、他の本にしても出会うことは少ない、ついつい、どのような本であっても、その中には何かいいことが書かれてあるというか、そんな、それも思い込みであって、何とか無理をして読んでいく、難解な本ほど有り難そうに、そんなことをしていく、でも、そのような本は、結局、最後まで行っても、そう、後悔するハメになっている、そう、だから、もう、このごろは、初めの数ページで、その本を読み進んでいくのかどうか、ということを決める、そう、でも、そのようなことを判定をするまでもなく、読みたい本は、そんなことを考える暇もなく、もう自然に読み進んでいる、そう、そんなことになっている、まあ、このようなこと、本だけのことではなくて、いろんなことにおいて、もう、自然と、その壁がとれている、敷居が感じられない、そして、自然と這入って行ける、そのようなことを、そう、受け容れていく、そんなことになっていくのではないかと思う、そのようなことでいいと思う、自分への柵ということも感じられない、そのようなことだと思う。