『求めない』

saikaku2008-01-09

習字の練習をする。「古」という字を書く。小筆で何回も書く。どうも巧くない。手本を違う。何処か違う。また何回も何回も書く。そして気付く、「ああ!横3本の線が平行に同じ曲がり方をしているんだ」と。「独」についても、ケモノ偏の下部の曲がり方と「虫」の縦棒の下部も僅かに同じ曲がり方をしていると。字を何回も書く。だんだんとその字の個性というものが見えて来るのだ。偏と旁の位置配置、縦画どうし横画どうしまた「払い」が平行になっている、曲がり方が呼応しているとか、そんなところのことが見えてくる。でももっと多くのことがあるのだろうと思う。確かに気付かないところもある。そんなところを指摘されたりもする。指導者というか師範というものは、基本的には生徒が気付くまで待っている。自分自身で発見するまで待っている。そしてある段階に至っていると判断して、次の段階への扉を指摘することがその指導のあり方なのだろうと思う。自分自身が気付かなければそれまでのこと。