『老人力』?

saikaku2009-10-01

この本を読んでいて、「介護の基本方針に利用者の今までの生活習慣を大事にしていく」ということがあるけれど、それって本当に大事なことなのかなぁと思う。自分の心身機能全体を自我と自己に分けて考えれば、生活習慣というのは、自我が自分の能力に見合って構築したマニュアルである。当然歳をとれば心身機能は衰えていく。土台であったものが崩れていく。記憶力も薄れていく。でもそのことはマイナスなことなのではなくて、自分自身がその全体性として統合されていく過程である。必要でないものは自然に忘れられていく。そのとき、今までの生活習慣に拘り続けていくというのは、どうしても自分に無理を課していくことではないかと思う。その、老人期としての統合過程に反するのではないかと思う。今までの生活習慣を維持していくのではなくて、老人期に相応しい、その時々の自分に相応しい習慣を見出していくことの方が大事なことなのではないかと思う。そう、どうなのだろうかと。